03ObjectOfObligation
6/20 債権とは何か? 物権と債権と担保物権との区別

【テロップ】
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【ノート】
債権の目的と債権の目的物との違いを理解する前に,債権とは何か?について知っておく必要があります。 物権と区別される債権とは,何でしょうか?■ 物権とは,ヒトが物を支配する権利です。具体的には,モノを使用,収益,換価,処分のすべて,または,いずれかを行うことのできる権利です。 債権とは,ある人(債権者)が,たの人(債務者)に対して,あることをすること(作為)または,あることをしないこと(不作為)を要求する権利です。 ■なお,作為または不作為を含めて,「給付」といいますので,債権とは,「ある人(債権者)が,たの人(債務者)に対して,給付を要求する権利である」と簡潔に言い換えることができます。 ■債権は,ヒトと人とに関する権利ですが,人には財産として物が帰属しています。 ■したがって,債務者が債務を任意に履行しないという場合,例えば,金銭債務を支払わない場合には,債権者は,債務者のすべての財産(一般財産)に対して強制執行をして,財産を処分し,売却代金から債権額を回収することができます。 ■このように考えると,債権も担保物権と同様に,債務者の財産を換価処分することができることになり,債権と担保物権との区別は微妙になります。 すなわち,担保物権は,その他の物権とは異なり,債権に近い性質を有していることがわかります。 ■つまり,債権との違いは,債権が他の債権者と平等の権利を有する,すなわち,一般債権の場合には,すべての債権の債権額に基づいて按分比例されるのに対して,担保物権の場合には,他の債権者に先立って,優先弁済を受けるという点が異なるということになります。