04TarCase
25/35 契約の流れ(フロー図)→債権

【テロップ】
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【ノート】
契約問題は,順序良く考えないと,非常に複雑な問題になってしまいます。 しかし,契約問題を流れ図(フロー図)によって,順序正しく理解すると,大きく四つの問題に分解できることがわかります。 ■実際に契約問題を流れに沿って概観してみましょう。 第1は,契約は成立しているか? それとも不成立か? という問題です。民法521条以下に「成立か不成立か」を決定する条文があります。 ■もしも,契約が成立していれば,次の問題に移ります。 契約が不成立ならば,民法703条以下の不当利得の問題となります。■ 第2は,成立した契約が有効か? それとも無効か? という問題です。民法4条以下,特に,民法90条以下に契約が「有効か無効か」を決定できる条文があります。 ■もしも,契約が有効であれば,次の問題に移ります。 もしも,契約が無効であれば,不成立の場合と同様に,民法703条以下の不当利得の問題となります。 第3は,有効に成立した契約は,いつ効力を生じるのか? いつ消滅するのか? という問題です。■民法127条以下に契約の効力がいつ発生するのか,いつ消滅するのかを決定できる条文があります。 ■もしも,有効に成立した契約の効力が発生していれば,次の問題に移ります。 有効に成立した契約に始期期限とか,停止条件が付されている場合には,効力が未発生かどうかチェックします。■ ■未発生であれば,発生するまで,チェックが続きます。■ 有効に成立した契約に終期期限とか解除条件がついている場合には, 効力が発生すると,流れを飛び越えて,契約は終了します。■ 第4は,有効に成立し効力が発生した契約は,履行されたか? それとも履行されていないか? という問題です。 ■契約は守らなければなりません。 ■もしも,契約が履行されていれば,契約問題は終了します。 契約が履行されていない場合には,そのことについて,免責事由があるか? それとも,免責事由はないのか? が問題となります。 ■免責事由があれば,契約は履行されないままに,契約問題は終了します。 ■免責事由がなければ,第5に,民法415条によって債務不履行に基づく救済が問題となります。 通常は,債権者は,民法414条によって履行強制ができます。 不履行によって契約目的を達することができない場合には,民法541条以下の条文に従って,契約の解除ができます。 債務者にキセキ事由がある場合には,債権者は,履行強制,解除とともに,または,単独で,損害賠償を請求できます▲(この点については,民法545条第3項を参照してください)。 以上で,契約問題は,すべて終了します。