07NonPerformance
18/35 履行の強制→債権総論

【テロップ】
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【ノート】
債務者が債務を任意に履行しない場合の債権者に対する救済方法は,第1に,民法414条の強制履行,第2に,民法415条の損害賠償請求,第3に,民法540条以下の契約解除です。 ■損害賠償の要件については,すでに学習しましたので,ここでは,強制履行について,概観します。 わが国の強制履行は,民法414条が実体法上の規範を提供し,民事執行法が,手続き上の規範を提供しています。 ■強制履行は,作為債務と不作為債務で方法が異なります。 ■作為債務の場合にも,引渡し債務とその他の作為債務とで方法が異なります。 ■引渡し債務の典型例は,金銭債務であり,民法は,414条1項が「直接強制」について規定しています。 ■この金銭債務の強制執行について,民事執行法は,そのほとんどの条文(すなわち,民事執行法43条から167条までの条文)を費やしています。 ■引渡し債務のうち,モノの引渡し債務については,民事執行法は,3か条をおいているだけです(民事執行法168条から170条まで)。 ■引渡し債務以外の作為債務については,民法414条2項が「代替執行」を規定しており,民事執行法は,171条から173条をその強制執行に当てています。 ■不作為債務については,民法414条3項が,適切な条文を置いていますが,民事執行法では,引渡し以外の作為債務と同様の規定を置いているに過ぎません。 ■民法(債権関係)改正によって,この民法414条3項が削除されることになっていますが,差し止め請求の根拠となる,このような重要な実体法規定を削除するのは,愚挙であると,私は考えています。