08CivilPenalty
15/24 法の適用と契約条項の適用

【テロップ】
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【ノート】
■民法を始めて学ぶヒトにとって,法律の条文が裁判所によって適用されるのは,当然のこととして理解できます。 しかし,シジンカンで合意したに過ぎない契約が,公序良俗に反しない場合には,民法の条文よりも,優先的に適用されるということに,違和感を感じるかもしれません。 ■法律の条文ではなく,シジンカンの契約条項が裁判所で適用されるのはなぜなのでしょうか? ■この点については,国家は,個人の尊厳と自由を実現するためにあるのだと考えると,シジンカンの法律関係は私的自治にゆだねるのがよいということが理解できると思います。■ また,わが国の民法420条を起草するに際して模範とされたフランス民法には,以下のような有名な条文(フランス民法第1134条)があります。 ■この考え方が,わが国の民法にも大きな影響を与えていると考えると,違和感が緩和されるかもしれません。 ■フランス民法▲第1134条▲第1項は,以下のように規定しています。 フランス民法▲1134条▲第1項■適法に成立した合意(契約)は,これを成立させた当事者間において,法に変わる効力を生じる。 わが国において,契約自由の原理を最も明確に規定しているのが,民法420条であり,損害賠償額の予定条項は,公序良俗に反しない限り,裁判所といえども,それを変更することができないということが理解できると思います。 ■このことを推し進めると,私たちが能動的な市民として社会に貢献できるのは,何も,参政権によって政治に参加する場合だけではなく,日常生活における契約の締結や,企業やNPOにおいて,さまざまな契約の作成に参画することによっても,立法と同様の社会参加を実現できるということに気づくことができます。 ■この意味で,社会契約の考え方は,現代社会においても健在なのです。