08CivilPenalty
21/24 消費者契約法10条→Q6

【テロップ】
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【ノート】
消費者契約法▲第10条は,民法における任意規定の役割を根本的に変更する革命的な条文です。 消費者契約法▲第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)■ 民法,商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し, 消費者の権利を制限し,又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって, 民法第1条第2項に規定する基本原則に反して 消費者の利益を一方的に害するものは, 無効とする。 ■この規定の出現によって,民法の地道な学習を阻害してきた,以下のような俗説が覆ることになりました。 ■すなわち,「民法の大半を占める『任意規定』は,世の中に出れば,契約約款や個別の契約条項によって,ホゴにされており,民法の大半は学ぶに値しない」という俗説の崩壊です。 ■みなさんが,世の中に出て,消費者が関与する契約書や約款を作成する立場に立ったとしましょう。そこまでいかなくても,そのような契約書や約款を目にしたとしましょう。 ■従来であれば,それらの契約条項は,公序良俗に違反しない限り有効とされてきました。 ■しかし,消費者契約法▲第10条が出現したことによって,この考え方は通用しなくなったのです。 ■皆さんは,それが,なぜだか,わかりますか? ■その理由は,契約条項の相手方に消費者が含まれる場合には,以下の順序で検討を重ね,その契約条項が無効かどうかを検討しなければならなくなったからです。 ■第1に,その条項を適用した結果を思い浮かべなければなりません。 ■第2に,その契約条項がないと仮定した場合に,民法または商法のどの任意規定が適用されるのかを検討しなければなりません。 ■第3に,問題となる契約条項を適用した場合と,任意規定を適用した場合の結果を比較検討しなければなりません。 ■第4に,問題となる契約条項を適用した結果と,任意規定を適用した場合とを比較して,もしも,前者が,消費者の利益を一方的に害する場合には,当該契約条項が無効となりますので,契約条項を変更する作業に移らなければなりません。 ■多くの会社が,このような作業を開始し始めていますが,民法制定以来,100年以上にわたって,無視されてきた任意規定を的確に評価することは,容易ではありません。 ■したがって,民法をしっかり学んだならば,これから就職する職場において,皆さんの民法の学力が頼りにされることは,疑いの余地がないと,私は考えています。