08CivilPenalty
7/24 「契約自由の原則」の規定の新設(2015年3月31日国会提出案)

【テロップ】
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【ノート】
2015年3月31日に国会に提出された「民法の一部を改正する法律案」によれば,民法第3編(債権),第2章(契約),第1節(総則),第1款(契約の成立)の最初の条文である,民法521条に,「契約自由の原則」を明確に宣言する規定が新設されることになっています。 ■民法(債権関係)改正において,「契約自由の原則」を宣言する規定は,以下の通りです。 民法▲第521条(契約の締結及び内容の自由)■ 民法521条▲第1項(新設)■ナンピトも,法令に特別の定めがある場合を除き,契約をするかどうかを自由に決定することができる。■ 民法521条▲第2項(新設)■契約の当事者は,法令の制限内において,契約の内容を自由に決定することができる。■ 第522条(契約の成立と方式)■ 民法522条▲第1項(新設)■契約は,契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。■ 民法522条▲第2項(新設)■契約の成立には,法令に特別の定めがある場合を除き,書面の作成その他の方式を具備することを要しない。 ■これらの新設規定は,先に述べた,ユニドロワ国際商事契約原則等の,国際的な契約法の動向を取り入れたものとなっています。 ■なお,これらの規定の新設によって,従来の民法521条は,523条へと条文数がずれ込むことになりますが,同時に,522条(承諾の通知の延着),527条(申込みの撤回の通知の延着)の規定が削除されるため,民法528条(変更を加えた承諾)の箇所で,条文数がもとに戻って現行民法と一致します。 ■これらの民法改正は,たとえ,国会で議決され,交付されたとしても,国民に周知するため,施行には,数年の期間が置かれると思われます。 ■確かに,現行法には,上記の新設条文とは異なり,契約自由の原則を明文で宣言する規定は存在しないのですが,民法91条,92条,そして,民法420条を総合すると,わが国においても,民法によって契約自由の原則が採用されていることを理解することができます。 ■そこで,つぎに,現行民法に存在する契約自由の原則を具現していると考えられる,民法91条,92条,そして,民法420条を見てみることにしましょう。