09AcitioOblique&Directe
16/19 直接訴権(1/2) →債権総論 →Q7

【テロップ】
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【ノート】
債権者代位権は,ドイツにはなく,債権の強制執行が未発達だったフランスで発展した制度ですが,債権差押えを超える発展を遂げています。それが,直接訴権です。 ■直接訴権は,債権者の意思表示によって始めて直接請求が可能となる不完全直接訴権と,債権の発生と同時に自動的に直接請求が可能となる完全直接訴権に分類されています。 第1の不完全直接訴権は,民法613条(賃貸人の転借人に対する直接訴権)が代表例です。 ■民法613条の直接訴権の場合,賃貸人の賃借人に対する賃料債権と,賃借人の転借人に対する、転借料債権がある場合に,賃貸人Aの意思表示によって,賃貸人Aが直接に第三債務者である転借人Cに対して,自己の権利として,転借料債権を請求できる権利です。■ 民法613条の直接訴権は,賃貸人Aが受益の意思表示をした時点で効力を生じ(民法537条参照),賃貸人Bの転借人Cに対する債権がサキドリ特権とともに,賃貸人に移転します(民法314条)。■ この効力は,民法613条2項に規定されているように,賃借人に対する権利を保持したまま,しかも,テンプ命令と同様,移転的効力を生じるので,賃借人の他の債権者(D)の差押えに優先します。■ さらに,直接訴権は,民法314条のサキドリ特権によって,転借人の債権者(E)に対しても優先します。