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39/46 民法改正法案(9/14) ←目次受益者・転得者の義務(立法の過誤)

【テロップ】
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【ノート】
民法(債権関係)改正▲法律案▲第424条の9(債権者への支払又は引渡し)は,新設された第2目▲サガイ行為取消権の行使の方法等▲の4番目の新設条文です。 ■破産法第167条,第169条,第173条に対応する規定です。 第424条の9(債権者への支払又は引渡し)▲は,以下のように規定しています。■ 第424条の9▲第1項■債権者は,第424条の6第1項前段又は第2項前段の規定により受益者又は転得者に対して財産の返還を請求する場合において,その返還の請求が金銭の支払又は動産の引渡しを求めるものであるときは,受益者に対してその支払又は引渡しを,転得者に対してその引渡しを,自己に対してすることを求めることができる。■ この場合において,受益者又は転得者は,債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは,債務者に対してその支払又は引渡しをすることを要しない。■ 第424条の9▲第2項■債権者が第424条の6第1項後段又は第2項後段の規定により受益者又は転得者に対して価額の償還を請求する場合についても,前項と同様とする。■ ■この条文は,サガイ行為取消権の本質を明らかにするとともに,条文間の矛盾をさらけ出しています。 ■サガイ行為取消権が,すべての債権者のために行われるものであるとすれば,受益者または転得者のもとにある財産を,なお,債務者の責任財産だと認定し(これが取消しの意味です),その場所で強制執行を行い,すべての債権者に対して,債権額に応じた配当を行えばよいはずです。 ■もともと,サガイ行為取消権にとって,逸失した財産を債務者や債権者に対して支払とか引渡しとかをする必要性はありません。 ■なぜなら,債務者は支払や引渡しを望んでおらず,訴えを提起した債権者に支払や引渡しをすれば,不公平が生じ,制度そのものの趣旨に反するからです。 ■このように考えると,この条文の1項2文は正しいのですが,1項1文は誤りであるということになります。 ■いずれにしても,この条文の結論は,サガイ行為取消権の趣旨と矛盾しています。 ■この条文を,サガイ行為取消権の制度趣旨を考慮して,整合的に解釈し直すと,債務者,債権者を含めて,支払いや引渡しは必要なく,必要なのは,すべての債権者のために強制執行ができること,各債権者が相応の配当を得ることだけであることが理解できると思います。