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9/46 詐害行為取消権(2/3)→Q8(民法424条~426条)→債権総論,原則

【テロップ】
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【ノート】
サガイ行為取消権の全体像をプロセスとして理解することにしましょう。■ ■第1は,債権の対内的効力にとどまるという次元です。 債権者Aが債務者Bに対して,貸金債権などの金銭債権を有しているとします。■ もしも,債務者Bが金銭債権を任意に履行しない場合には,債権者Aは,債務者Bの不動産,動産,債権など,その他の責任財産に対して,強制執行をすることができます。 ■ここまでが,債権の対内的効力です。 ■第2は,債権の対外的効力が始まる次元です。 もしも,債権者Aの強制執行を恐れた債務者Bが,重要な責任財産である不動産を第三者Cに譲渡したとします。 ■そうすると,その不動産は,もはや,Bの責任財産ではなくなり,債権の相対的効力の原則によって,債権者Aは,その不動産に対して,強制執行をすることができなくなるはずです。 ■しかし,債務者Bの責任財産の譲渡の相手方である第三者Cが,その譲渡が債権者Aを害する行為であることを知っていた場合,すなわち,Cが悪意の受益者である場合には,例外的に,債権に対外的な効力が認められます。 この場合には,債権者Aは,悪意の受益者であるCを訴えて,債務者Bから逸失した不動産等の責任財産に対して,強制執行をすることができるのです。 ■これが,債権の対外的効力としての▲サガイ行為取消権の追及効の▲第一段階です。 ■第3は,サガイ行為取消権の対外的効力のさらなる進展の次元です。 もしも,債権者Aの強制執行を恐れた受益者Cが,債務者Bから得た責任財産である不動産を,さらに,第三者Dに譲渡したとします。 ■そうすると,その不動産は,もはや,Cの責任財産ではなくなり,債権の相対的効力の原則によって,債権者Aは,その不動産に対して,強制執行をすることができなくなるはずです。 ■しかし,債権者Bの責任財産の譲渡の相手方である第三者Dが,受益者CからDへの譲渡が債権者Aを害する行為であることを知っていた場合,すなわち,第三者であるDが悪意の転得者である場合には,この場合においても,債権に対外的な効力が認められます。 この場合にも,債権者Aは,悪意の転得者であるDを訴えて,債務者Bから,受益者Cを経由して転得者Dへと,転々と譲渡された債務者Bの責任財産に対して,強制執行をすることができるのです。 ■これが,債権の対外的効力としての▲サガイ行為取消権の追及効の▲第二段階であり,転得者が悪意である限り,永久に続くサガイ行為取消権の強力な追及効なのです。 ■以上のプロセスを図を見ながら,復習してみましょう。 債務者Bが,その責任財産を 債権者Aを害することを知りながら,悪意の第三者である受益者Cに譲渡した場合には, 債権者Aは,第三者である受益者Cに対してサガイ行為取消訴訟を提起することによって,債務者から逸失した財産に対して強制執行をすることができます。つまり,債権者Aは,第三者に対して追及効を持つことになります。 この追及効がすごいところは,たとえ,当該財産が,さらに,悪意の転得者▲D,▲E,▲F,というように転々と譲渡された場合でも,それらの第三者が悪意である限り, どこまでも追及して,当該財産に対して強制執行ができる点にあります。 債権にこのように強力が追及効があることについて,学説は,どのように考えてきたのでしょうか。 ■次に,サガイ行為取消権の法的性質について,学説の説明を見ていくことにしましょう。