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20/22 保証のまとめ

【テロップ】
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【ノート】
保証について学んできたので,これまでの学習を振り返り,保証に関するまとめをします。 ■第1に,通説の考え方とその問題点を整理します。 通説は,保証とは,「保証債務」といわれているように,その性質を,主たる債務とは別個独立の債務であると考えています。 しかし,通説といえども,主たる債務が成立しなければ,保証債務も成立しない,すなわち,成立における保証債務の従属性を否定することはできません。 また,通説は,主たる債務が弁済によって消滅すれば,保証債務も消滅すること,履行における保証債務のフジュウ性を否定することはできません。 このように,通説は,保証債務は,「フジュウ性」という性質を有していることを認めているのですから,保証を,主たる債務とは別個・独立の債務と考える通説の考え方は,理論的に破綻しています。 ■第2に,通説と対比しながら,私の説を述べます。 保証は,他人の債務(すなわち主たる債務)の履行の引受けです。 ■主たる債務だけが債務であり,保証は,ジュウたる債務ですらなく,「債務のない責任」です。■ 債務者が弁済すると,債務も責任も消滅します。 ■これを保証のフジュウ性といいますが,保証が他人の債務の履行責任だと考えると,他人の債務がなくなれば,その履行責任もなくなるのは,当然のことであり,フジュウ性に関する十分な説明となっています。■ しかし,債務者本人が債務を弁済した場合と異なり,保証人が弁済すると,債務は消滅しません。(この点が通説と決定的に異なる点です。)■ そして,保証人の求償権を確保するために,債権者の債権は,民法500条以下の規定にしたがって,保証人へと法定移転(,すなわち,弁済による代位)が生じます。 ■これによって,保証人が,債務者から肩代わり弁済した全額の求償を受けると,その時点で,保証人は,責任から解放されるのです。