13_14SuretyshipAll
8/22 保証人の保護の法理

【テロップ】
※各テロップ文字をクリックすると該当の場所がピンポイントで閲覧できます。



【ノート】
保証人の保護は,なぜ必要なのでしょうか?  ■民法は,当事者の自由平等を原則としており,弱者保護を前面に出すことがないのが原則です。 ■しかし,保証については,民法は,保証人の保護に終始しています。 民法は,どのような方法で保証人を保護しているのでしょうか? ■ここでは,第1に,保証のフジュウ性,第2に,債権者による保証の補充性を害する行為による保証人の免責,第3に,保証人の求償権を害する債権者の行為による保証人の免責など,民法における保証人の保護の法理と構造について,説明します。 ■保証人の保護は緊急の課題です。わが国においては,保証契約は,生活に欠かせないものとなっています。皆さんが,大学に入学できたのも,保証人が要るからです。親元を離れて,下宿生活をしているヒトなら,かならず,保証人を探して,保証契約を締結しているはずです。 ■親が親戚や友人の保証人になったために,あおりを受けて破産状態に陥り,学費を稼ぐためにアルバイトをしているというヒトもいることでしょう。 ■しかし,原則に立ち返るならば,現代社会においては,リスク回避の手段も有償契約で行うべきです。 ■無償で,その上,無限責任を保証人に負担させるという保証契約,すなわち,保証人の全財産を担保に差し出させるという保証契約は,本来なら,公序良俗に違反して無効となるべき契約です。 ■それが,有効な契約となっているのは,民法が,保証人を保護するために,フジュウ性,求償権等,保証人を免責するための規定を用意しているからです。 したがって,民法における保証の規定を保証人の不利に変更する契約は,原則として無効と考えるべきではないでしょうか? ■すなわち,保証の規定は,編面的強行規定なのではないでしょうか? ■これが,この講義での大きな問題点です。