01Introduction
29/33 民主主義の前提としての市民の資質 →能動的な市民の育成
【テロップ】
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【ノート】
日本人は,欧米の人々に比べて,▲同調圧力▲に弱いといわれています。これを克服することが,民主義の前提としての能動的な市民の条件となります。それは,なぜでしょうか?■ ■日本人は,「皆さんもされていますよ」といわれると,つい同じようにしてしまう傾向があります。多くの人が賛成することには,自分も賛成するという傾向が強いのです。■ 確かに,正しい観察によって得られた事実からしっかりした論理展開によって導き出された結論には,多くの人が賛成するので,正しいことと多くの人が賛成することには相関関係があります。つまり,「賛成する人の数が多ければそれは正しい可能性が高い」のです。 しかし,それを逆にして,「賛成する人が多いから賛成しておこう」と思って賛成している人が多いと,そのような人の一票は,他人の意見のコピーなので,その人の一票を単純に一票としてカウントできなくなり,民主主義の多数決原理が機能しなくなってしまうのです。 「多くの人が賛成しているから正しい」という考え方をもとに賛成してしまうことは,誤った結論を導く可能性を増大させるだけです。この考え方は自己矛盾を含んでいます。だからこそ,多くの人が賛成しているから正しいという論理は,たとえその結論が正しくても,使ってはいけないのです。