01Introduction
30/33 和の精神と論語との関係「君子は和して同ぜず」
【テロップ】
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【ノート】
わが国の人々が大切にしてきた伝統的な精神は,「和の精神」だといわれています。 ■しかし,論語に「君子は和して同ぜず,ショウジンは同じて和せず」とされているように,「和の精神」と,多数の人がそうしているから正しいと考えて同じ行動をすることを意味する「付和雷同」とは異なります。 十七条の憲法の第1条(わをもって貴しとなす)には,出典が「孔子」と書かれています。 この規定は,おそらく,論語の「君子は和して同ぜず,ショウジンは同じて和せず」を意識して起草されたものと思われます。 「わ」と区別される「同」とは,「付和雷同」のことであり,自分の考えではなく,多数の人がそうしているから正しいと考えて同じ行動をすることを意味します。 しかし,「多数の人が賛成しているから正しい」という論理は,多数決の原理を破壊する考え方なので,論拠として使うことはできないのです 。