06OptionMeans&Result
16/29 選択の特定→Q4

【テロップ】
※各テロップ文字をクリックすると該当の場所がピンポイントで閲覧できます。



【ノート】
■選択債務のうち,原始的不能と後発的不能を含めて,履行が不能になった場合に,選択債務はどのような影響を受けるか?という問題に対する民法の立法者の答えです。 第410条(不能による選択債権の特定)は,以下のように規定しています。 民法410条▲第1項■債権の目的である給付の中に,初めから不能であるもの又は後に至って不能となったものがあるときは,債権は,その残存するものについて存在する。 ■選択債務においては,選択権は債務者にあります。 ■したがって,その中に履行不能になったものがある場合には,「不能なものを履行強制することはできない」との法理に従い,選択債務は,残りの債務についてだけ存在します。残りの債務が一つのときは,特定物債務となり,残りの債務が複数の場合には,その債務の間での選択債務となります。 ■これが,選択債務のうちに履行不能の債務が生じた場合の原則です。 ■ただし,選択権を有しない者(例えば,債権者)の過失によって履行が不能となった場合には,例外として,選択権者(例えば,債務者)を保護するために,あえて,履行不能となった債務を選択して,債務を免れることができることにしています。 ■民法410条第2項は,この点について,以下のように規定しています。 民法410条▲第2項■選択権を有しない当事者の過失によって給付が不能となったときは,前項の規定は,適用しない。 ■つまり,民法410条第1項の例外として,選択権者は,過失によって債務を履行不能にした,選択権を有しない者に対して,民法415条に基づいて損害賠償を請求することができます。 ■もっとも,選択権者は,原則に従って,残りの債務を履行することを選択することもできますが,その場合には,選択権を有しない者に対して,債務不履行に基づく損害賠償を請求することができます。