06OptionMeans&Result
17/29 選択の遡及効とその制限→Q4

【テロップ】
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【ノート】
選択債務について,選択権者(原則として債務者)が選択をすると,債権は,債権の発生の時点,例えば,契約の成立時点に遡って,選択された債務だけが存在していたとみなされます。■ 民法411条(選択の効力)の本文は,以下のように規定しています。 選択は,債権の発生の時にさかのぼってその効力を生ずる。 ■民法の立法者が,選択の効果を初めに遡らせた理由は,債権の発生から選択を実行する間の期間に生じた事由,(例えば,民法の起草者は,馬か牛かを給付する選択債務について,選択する前に馬がコウマを産んだ場合)について,そのコウマの所有権が,債権者と債務者のどちらに帰属するかが不明となるため,選択に遡及効を認めたとしています(梅・民法要義(巻の三)39-40頁)。 ■ただし,この遡及効は,民法411条のタダシガキによって制限されます。 民法411条▲タダシガキは,以下のように規定しています。 ■ただし,第三者の権利を害することはできない。 ■この規定によって,選択権の行使の前後に第三者が,例えば,選択権者がその財産にシチ権や抵当権を設定していた場合には,遡及効が制限されるため,遡及効によって債権者が常に優先することにはならず,債権者と第三者間の優劣は,民法177条,178条等の対抗問題によって解決されることになります。