06OptionMeans&Result
7/29 選択債権と選択の主体→Q4

【テロップ】
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【ノート】
■選択債務の最初の条文から見ていきます。選択権は特別の合意がない限り,債務者に属する形成権です。 第406条(選択債権における選択権の帰属)■ 債権の目的が数個の給付の中から選択によって定まるときは,その選択権は,債務者に属する。 ■民法406条は,任意規定ですので,当事者の合意によって,例外的に,債権者を選択権者にすることも,民法409条に規定されているように,第三者を選択権者とすることもできます。■ 第407条(選択権の行使)■ 民法407条▲第1項■前条の選択権は,相手方に対する意思表示によって行使する。■ 民法407条▲第2項■前項の意思表示は,相手方の承諾を得なければ,撤回することができない。■ 最後の「撤回」の意味について説明しておきます。 ■撤回と取消しとの違いは何でしょうか? ■撤回と取消しとは,ともに,形成権であり,意思表示を初めに遡って効力をなくすという効果は同じです。 ■しかし,取消しの場合には,法定の理由が必要とされていますが,撤回は,法定の理由がなくても行使できる点で,取消しとの違いがあります。 ■撤回の代表例は,申込の撤回(民法521条,524条,527条)ですが,この条文(すなわち,民法407条)との関係では,解除の意思表示の撤回不能(民法540条)が参考になります。 ■民法407条の選択意思表示の撤回の場合にも,撤回には法定の理由はいらないのですが,相手方の承諾を得なければならないという制限がついています。ただし,解除の意思表示の場合のように,撤回不能ではない点で,解除の意思表示の撤回とは異なります。 選択の意思表示の撤回に相手方の承諾が必要だということになれば,契約によって更改を行っているのとおなじことになりますが,選択の意思表示は,形成権とされているため,通常の意思表示の合致によって生じる更改契約とは区別されています。