11Joint&Several1
12/30 連帯債務を理解するための前提(2/3)債権の法定移転としての「弁済による代位」

【テロップ】
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【ノート】
さきに述べた,連帯債務のプロフェショナルとなるための三つの条件のうち,第3の条件は,債務者以外の第三者による弁済の場合,特に,利害関係を有する者による弁済,例えば,保証人による弁済の場合には,債務は消滅せず,弁済者が有する求償権を確保するために,民法500条以下の「弁済による代位」が生じることを理解することです。 ■「弁済による代位」については,結果は同じなのですが,二つの考え方があります。■ 第1の考え方は,ヒトではなく,対象としての債権に注目した考え方です。■ 第2の考え方は,対象としての債権ではなく,ヒトに注目した考え方です。 ■いずれの考え方によっても,結果は同じですが,両方の視点から理解することが,「弁済による代位」を理解する上で有用です。 第1の考え方によると,第三者の弁済によって,債権は消滅せず,債権は,自動的に第三者に移転すると考えます。 ■法定移転なので,通常の債権譲渡とは異なり,対抗要件は不要です。■ 利害関係を有する第三者,例えば,保証人の弁済によって,債権は,第三者である保証人に自動的に移転します。■ この考え方においては,債権の移転が強調されることになります。■ ■第2の考え方は,第1の考え方とは異なり,行為の主体であるヒトに注目します。■ 第三者の弁済によって,満足した債権者はその地位を退き,第三者が債権者の地位に就くと考えます。 例えば,弁済した保証人が,債権者になり代わります。 この考え方では,債権の不消滅が強調されています。 ■以上の二つの考え方は,表現の違いだけで,効果は同じです。 ■以上の3点を理解し,それを連帯債務の負担部分と保証部分とに応用できるようになると,連帯債務のプロフェショナルとなることができます。