11Joint&Several1
4/30 9.連帯債務

【テロップ】
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【ノート】
連帯債務は,債権法の最難関です。 ■多くの学生が,ここで躓き,脱落していきました。大学教授でさえ,連帯債務の本質を理解している人は少数です。 ■連帯債務が難解な理由は,連帯債務が,第1に,多数当事者の債権・債務関係であると同時に, ■人的担保,すなわち,保証という二つの性質を有しているからです。 ■この講義では,この難問を分析的な方法,すなわち,相互保証理論という理論によって,この最難関を突破し,連帯債務に関して,どんな問題も解決できる能力を獲得するという目標をめざして,最先端の講義を行います。■ つまり,連帯債務におけるすべての難問を,連帯債務を, 本来の債務の部分(負担部分)と, 連帯保証の部分(保証部分)との結合であると考える学説,すなわち, 相互保証理論によって,解決することにします。 ■この学説によると,第1に,連帯債務とは,多数の当事者が負担部分という本来の債務を負うものなのですから,それが,多数当事者の債権・債務関係に属することが理解できます。 ■第2に,連帯債務とは,複数の債務者が,それぞれの負担部分のほかに,他の債務者の負担部分を相互に連帯保証し合っているということになるので,負担部分が消滅すれば,保証のフジュウ性によって,他の債務者の連帯保証部分が消滅すること,すなわち,一人の連帯債務者に生じた事由が,他の連帯債務者に対して,「絶対的効力」を及ぼすことも理解できます。 ■さらに,連帯債務者の一人が自己の負担部分を越えて,弁済等の共同の利益をもたらした場合には,その行為は,保証人としての行為であるため,他の連帯債務者に対する求償権を確保するために,その範囲において,債権は消滅せず,民法500条以下の代位が生じます。 ■そして,他の連帯債務者が,その求償に応じて,連帯債務者の一人に弁済を完了した後に,初めて,連帯債務のすべてが消滅することも理解できます。 ■このようにして,連帯債務を相互保証理論によって理解すると,連帯債務の難解な問題は,すべて氷解します。 ■もっとも,すべての難問を解決するには,事例ごとに理解を深めていく必要があります。 ■しかし,連帯債務とは,連帯債務者が本来の債務である負担部分と他の連帯債務者の負担部分を連帯保証するものであると考えることによって,すべての疑問が解消されるのだとすれば, ■これから学習することに希望が生まれ,面倒な学習も楽しくなっていくことでしょう。 ■そして,理解が進むたびに,連帯債務の全体像が鮮明になってくると思います。