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22/33 保証の場合の求償の要件としての事前・事後の通知の要件←連帯債務の場合

【テロップ】
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【ノート】
連帯債務の一人が連帯債務を弁済して共同の免責を得たため,他の連帯債務者に対して,求償する場合には,その連帯債務者は,保証人として弁済した場合に該当するので,保証人が,債務者に求償する条件に関する規定である,民法463条についても,検討をしておくことにしましょう。■ 民法463条(通知を怠った保証人の求償の制限)は,以下のように規定しています。■ 民法463条▲第1項■第443条〔通知を怠った連帯債務者の求償の制限〕の規定は,保証人について準用する。■ 民法463条▲第2項■保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において,善意で弁済をし,その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは,第443条〔通知を怠った連帯債務者の求償の制限〕の規定〔のうち,2項の事後の通知について〕は,主たる債務者についても準用する。 ■保証人が債務者に求償する場合に,債務者に対して,事前・事後の通知が必要なことは,すでに連帯債務の箇所で説明しました。 ■ここで重要なのは,民法463条▲第2項です。 ■保証人とは異なり,債務者は,もともと,求償権を有しませんから,民法463条2項で,債務者について規定するのは,本来は場違いです。 ■主たる債務者は,求償できないのですから,自分の債務を弁済するのに,事前の通知は必要ありません。二重弁済を防止するためには,保証人の方が求償の要件として事後の通知をしてくれますから,事前の通知の必要はないわけです。 ■しかし,民法463条2項は,求償が問題とならない債務者も,事後通知は必要であることを規定しています。 ■その理由は,求償とは関係なく,保証人が二重弁済をしないための,安全配慮義務です。義務の相手が,債務者が委託を行った保証人に対してのみ,事後の通知を要求しているのは,求償の問題とは無関係であることを意味しています。 ■なぜなら,委託を受けない保証人も求償権を有するのですが,委託を受けない保証人に対しては,情報提供義務を負担するのは,委託をしていない債務者ではなく,契約当事者である債権者の義務なのです。