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25/33 求償の要件としての事前・事後の通知最二判昭57・12・17(2/7) 事案図解

【テロップ】
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【ノート】
最高裁昭和57年判決の事案の概要を図解すると,以下の通りです。■ XとYとが,訴外A▲建設会社に対して,連帯して,損失補償金(5,600万円)の支払を約し,その負担割合をほぼ平等(2,800万円)としていたところ, Xが,事前・事後の通知をせずに,その補償金の全額をダイブツ弁済しました。■ 全額を弁済したXが,Yに対して求償を求めたところ,XがYに事後の通知をしなかったために,一部弁済をしたことを理由に,Yは,求償に応じませんでした。■ Yも,上記補償金の一部を弁済したため,二重弁済となっていたからです。■ そうはいうものの,実は,Yも,一部弁済をするに先立ち,Xに事前の通知をすることを怠っていました。■ Yが事前の通知をしなかったということは,民法443条第1項によって,Yは,全額弁済したXに対抗できず,Yの弁済は無効となるのでしょうか?■ ■この事件の第1の争点は,一方で,事前の通知も事後の通知も怠ったXは,Yに対して全額を求償できるのか,つまり,民法443条第2項によって,Xの求償は制限されるのではないか? というものです。 ■第2の争点は,他方で,事前の通知を怠って,自己の負担部分を弁済したYは,民法443条1項の規定によって,自己の免責行為を有効とみなすことができなくなるのでしょうか? ■それとも,民法443条第2項によって,Yの弁済は,Xに対抗できることになるのでしょうか?  ■以上の2点が,この事件の争点です。