12Joint&Several2
6/33 一部(半額)免除の絶対的効力(2/4)我妻説:債務から免除 ←連帯の免除と同じ

【テロップ】
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【ノート】
■つぎに,柚木説とは正反対に,図の上の部分,すなわち,保証部分から免除が始まるとするワガツマ説を紹介します。 ■ワガツマ説によれば,債権者が,Y1 ▲に対して,連帯債務の半額を免除するという場合,600万円の半額は,300万円であり,その内容は,保証部分から優先的に免除が行われると解するため,セツレイの場合には,保証部分である300万円が免除されることになります。 ワガツマ説によると,Y1 ▲の連帯債務の半額免除の意味は,以下のことを意味します。■ まず,Y2 ▲に対する保証部分である200万円が消滅します。■ つぎに,Y3 ▲に対する保証部分である100万円が消滅します。■ 合計で300万円の保証部分の全額が消滅しますので,Y1 ▲の連帯債務は,600万円から300万円に減額されます。■ ■しかし,Y1 ▲の保証部分が消滅しても,それは,単なる連帯の免除(民法445条参照)にすぎないので,Y2 ▲にも,Y3 ▲にも,なんらの影響も及ぼしません。 ■いわゆる相対的効力です。 つまり,Y2 ▲の連帯債務は,600万円のまま,変化しませんし, Y3 ▲の連帯債務も,600万円のまま,変化しません。 その結果は,Y1 ▲に対して,連帯の免除をしたのと,全く同じであり, 債権者▲Xは,半額免除したY1 ▲に対しては,300万円しか請求することができませんが, ■Y2 ▲に対しても,また,Y3 ▲に対しても,600万円の連帯債務を保持することになります。 ■このように検討してくると,ワガツマ説の問題点は,セツレイの場合,Y1 ▲の連帯債務を半額免除したはずなのに,その結果が,単に連帯を免除したのと同じ結果になる点だということがわかります。 ■連帯債務を半額免除した結果が,連帯の免除と同じになるというのでは,しっくり来ないというのが,ワガツマ説に対する正直な感想でしょう。