
「予備試験は無理ゲーなんじゃないか」
予備試験の難しさを知っている人なら、誰でも一度は頭をよぎる言葉です。
予備試験は、闇雲に勉強すれば確かに「無理ゲー」です。
しかし、計画的に戦えば、合格の可能性は十分に開けます。
この記事では、予備試験が無理ゲーと言われる理由と、無理ゲーにしないための対策を紹介します。


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予備試験が「無理ゲー」と呼ばれる理由は合格率の低さ


予備試験が「無理ゲー」と呼ばれるその理由を紹介します。
最終合格率4%前後という数字のインパクト
予備試験の最終合格率は、毎年3〜5%程度で推移しています。
直近の令和7年度では、受験者数12,432人に対して合格者数はわずか452人、合格率は3.6%でした。
100人挑戦して、最終的に合格証を手にできるのは3〜4人という計算です。
この数字だけを見れば、「無理ゲー」と感じてしまうのも無理はありません。
難関とされる国家資格や有名大学の入試と比較しても、突出して低い合格率です。



多くの人がこの一桁台の数字を見て、挑戦する前から戦意を喪失してしまいます。
受験者=全員が本気で合格を目指している
また、予備試験のような難関資格の合格率は、他の一般的な資格の合格率と安易に比べることはできません。
英検やファイナンシャルプランナー試験のように、学校や職場に言われて強制的に受けるの受験者が一定数含まれる試験と異なり、予備試験は受験者のほぼ全員が本気で長期間学習を積んだうえで挑戦します。
そのため、単に「受験者全体の数%しか合格できない」ではなく、「真剣に合格を目指している受験者の中で数%しか合格できない」と、見かけ上の合格率以上の難しさがあります。



難関試験はほとんどの受験者が本気で試験に挑みます。
予備試験はなぜ合格率が低いのか?3つの理由


予備試験が難関である理由は、大きく3つの構造的な要因に分解できます。
理由1:短答・論文・口述という三段階の関門
予備試験は、性質の異なる3つの試験をすべて突破しなければなりません。
短答式(マークシート)、論文式(記述)、口述式(面接)という三段階の関門が、順番に受験生の前に立ちはだかります。
それぞれの段階で求められる能力がまったく異なるのが、この試験の厄介なところです。



知識の正確性を問う短答、論点と思考力を問う論文、そして瞬発的な応答力を問う口述。
以下は令和7年の予備試験の試験別合格率です。
| 試験 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 短答式 | 12,432人 | 2,744人 | 22.1% |
| 論文式 | 2,620人 | 457人 | 17.4% |
| 口述式 | 457人 | 452人 | 98.9% |
| 最終合格 | 12,432人 | 452人 | 3.6% |
この表から分かる通り、難所は「短答」と「論文」です。
特に論文式試験は、知識を覚えているだけでは1点も取れず、限られた時間で論理的な答案を書き上げる「型」の習得が不可欠です。対策が難しく、多くの受験生は論文式試験で苦戦します。
逆に言えば、最後の口述式は約98%が合格しており、論文を突破した実力があれば過度に恐れる必要はありません。
理由2:科目数が多く、出題範囲が膨大
2つ目の理由は、対策すべき科目数が非常に多く、出題範囲が膨大であることです。
憲法・民法・刑法をはじめとする法律基本7科目に加え、法律実務基礎科目、さらに一般教養まで、カバーすべき領域は広大です。
これだけの範囲を、すべて満遍なく完璧に仕上げようとすると、時間がいくらあっても足りません。
法学は奥が深く、計画性なしにインプットを続けると、際限なく深掘りできてしまう性質を持っています。
この「どこまでやればいいか分からない」という終わりの見えなさが、多くの受験生を疲弊させ、「無理ゲー」感を増幅させる元凶になっています。
だからこそ、ここで重要になるのが「効率」です。
合格に必要なのは満点ではなく、合格ラインです。
出題されやすい重要分野にメリハリをつけ、出題頻度の低い部分に時間を割かない。
この取捨選択ができるかどうかが、膨大な範囲を攻略する鍵になります。



受験生の多くが予備校を利用する理由は、予備校が「傾向と対策方法」を熟知しているため、カリキュラムに沿えば自然と効率的な勉強ができるからです。
理由3:3,000〜10,000時間という途方もない勉強時間
3つ目の理由は、合格までに必要とされる勉強時間が途方もなく長いことです。
一般的に、予備試験から司法試験を突破するには3,000時間〜10,000時間が必要と言われています。
どれだけ自信があっても、最低でも3,000時間は見ておくべきでしょう。
働きながら、あるいは大学の授業と並行しながらこの時間を捻出するのは、並大抵のことではありません。



長期間にわたるモチベーションの維持も含めて、まさに難関資格です。
ただし、ここで覚えておいてほしいのは、「同じ3,000時間でも、その”内容”によって到達点はまったく違う」という事実です。
闇雲に積み上げた3,000時間と、合格から逆算して設計された3,000時間とでは、得られる成果が天と地ほど変わります。
次の章では、この「差」がなぜ生まれるのか、つまり多くの人が陥る落とし穴について掘り下げていきます。
「無理ゲー化」する人の共通点=闇雲な独学という落とし穴


結論として、予備試験を本当の意味で「無理ゲー」にしてしまう最大の原因は、「闇雲な独学」という戦い方そのものにあります。
もちろん、独学で予備試験に合格する人はいます。しかし、やはり予備校利用者よりも合格まで時間がかかっているように思います。



個人的には、予備校の受講料を払ってでもなるべく早く合格した方がいいと思っています。
闇雲な独学が陥りやすい失敗には、3つのパターンがあります。
- 出題範囲の取捨選択ができない
どこが頻出でどこが捨て論点かが分からず、全範囲を均等に勉強して時間切れになる。 - 論文の答案の「型」が身につかない
知識はあるのに、論文で点が取れる文章構成(論証パターン)を習得できず、得点に結びつかない。 - 孤独で挫折する罠
質問できる相手も、進捗を確認する仕組みもなく、長い受験生活の途中でモチベーションが尽きる。
独学では「合格に必要な勉強の取捨選択」と「正しい論文答案の書き方」を自力で確立するのは難しいです(もしくは時間がかかる)。
結果として、重要でない論点に膨大な時間を費やし、肝心の得点源を取りこぼす恐れがあります。
また、法学は際限なく深掘りできてしまうため、独学者は自分が今やっている勉強が「合格に直結しているのか」を判断する基準を持てません。
重要でない論点に膨大な時間を費やし、肝心の得点源を取りこぼすという悲劇が起こります。
さらに、質問できる相手がいないと学習効率が下がります。
なぜなら、「わからないことをわかるようにする」ことが勉強であり、質問する相手がいると「わかるようにする」までの時間を大きく短縮できるからです。



それではどうしたらよいのか次に説明します。
合格できる人がやっている「無理ゲーからの脱却法」


予備試験を「攻略可能なゲーム」に変えるにはどのようにすればよいのでしょうか。
それは「計画性」「予備校の活用」「過去問と型」です。
1.合格から逆算した「計画」を立てる
ゴールである合格から逆算して、具体的な学習計画を立てましょう。
「いつまでに、何を、どのレベルまで仕上げるか」を明確にすることで、日々の勉強に迷いがなくなります。
計画は、長い受験生活であなたを導く羅針盤になります。



まずはざっくりでも構いません。
社会人なら3年計画、学生なら2〜3年計画が現実的な目安です。
合格までの総勉強時間(目安3,000時間〜)を、残り月数で割り、1日あたりの必要勉強時間を算出する。
「インプット期→論文演習期→過去問・直前期」など数段階に分け、各科目の進捗を月単位で決める。
週単位で進捗を振り返り、遅れていれば翌週で調整する。
計画は「守る」ものではなく「修正し続ける」ものです。
このように、ゴールから逆算した計画があれば、「今やるべきこと」が明確になり、闇雲な勉強から卒業できます。
計画こそが、無理ゲーから脱する最初の一手です。
2.予備校を「使い倒して」効率化する
2つ目は、予備校を最大限に「使い倒す」ことです。
予備校は「合格に必要な範囲の取捨選択」と「得点できる答案の型」を、体系化されたカリキュラムとして提供してくれるます。
予備試験・司法試験の合格者の大多数は、何らかの予備校・通信講座を利用しています。
プロが何十年も蓄積してきた「傾向と対策」をお金で時間ごと買えるのです。
独学者が何百時間もかけて自力で確立しようとするものを、予備校は最初から差し出してくれます。



質問制度や添削、進捗管理まで、使えるものは徹底的に使う意識が合否を分けます。
予備試験の最大の敵は、勉強の長期化によるモチベーションの低下です。途中で勉強をやめる人はたくさんいます。
使えるものはすべて使って少しでも早く合格を目指しましょう。
3.過去問反復と答案の「型」で得点源を固める
3つ目は、過去問の反復演習と論文の答案の型の習得です。
短答・論文ともに、出題範囲と出題パターンには傾向があります。
過去問を繰り返し解くことで「どこが、どう問われるか」理解できるようになります。
特に論文式では、論点ごとに「こう問われたら、こう書く」という起案の型を習得しておくことで、限られた時間でも安定して得点できる答案が書けるようになります。
知識の暗記ではなく、得点する「技術」の習得です。



誰でもそれが重要なことはわかっていると思いますが、特に論文は鬼門です。
大学生・社会人別の取り組み方


ここでは「大学生」と「社会人」に分けて、それぞれの強みを活かしたロードマップを紹介します。
大学生の場合:時間を武器に変える戦い方
大学生や、比較的時間に余裕のある人の最大の武器は、「まとまった学習時間を確保できること」です。
時間を活かして、早期から論文演習に着手することを意識しましょう。
その理由は、論文式試験の対策には時間がかかり、早く始めるほど「型」を確立させる期間を長く取れるからです。
時間という最大の資源を持っているうちに、予備校のカリキュラムに沿って一気に駆け抜けるのがおすすめです。



大学生のうちに予備試験に合格できると後が楽です。
社会人の場合:時間の制約をどう攻略するか
社会人の最大の課題は、言うまでもなく「時間の確保」です。
そのため、社会人は「スキマ時間の徹底活用」と「オンライン予備校の利用」を軸に、3年程度の長期計画で臨むのが現実的です。
通勤時間にスマホで講義を視聴し、昼休みに短答問題を解き、帰宅後に論文演習をする。このように、まとまった勉強時間を確保しにくい社会人はスキマ時間を有効利用しましょう。
また、場所や時間に縛られないオンライン予備校は、まさに社会人のためにある学習スタイルと言えます。
働きながらの挑戦は確かに大変ですが、決して不可能ではありません。
主要な予備試験の予備校一覧表
司法試験・予備試験の主要予備校6社を表にしました。
コースはその予備校で最も代表的なものを記載しています。
予備校名に公式サイトへのリンクを貼っています。
| 予備校 | コース例 | 税込料金 | 受講形式 |
|---|---|---|---|
| アガルート | 予備試験最短合格カリキュラム | 1,298,000円 | オンライン |
| 資格スクエア | 合格フルパッケージ | 877,800円 | オンライン |
| スタディング | 予備試験合格コース(総合) | 148,000円 | オンライン |
| LEC | 予備試験1年スマート合格コース | 706,300円 | 通学かオンライン |
| 伊藤塾 | 予備試験1年合格コース | 1,480,600円 | オンライン |
| 辰已法律研究所 | 予備試験合格 松永浩志一貫指導コース | 678,800円 | 通学かオンライン |
費用を可能な限り抑えたい、まずは少し時間で始めたいという方には、低価格帯のスタディングが向いています。
一方で、多少費用がかかっても、合格実績や手厚いサポートで確実性を高めたいという方には、アガルートや伊藤塾が有名です。
大切なのは、料金の数字だけで決めないことです。



サンプル講義、添削や質問制度の充実度、合格特典や割引も考慮して比較してみましょう。
よくある質問(FAQ)
- 働きながらでも合格できますか?
-
可能です。実際に社会人で合格している人は数多くいます。ただし、時間の制約が大きいため、スキマ時間の活用とオンライン予備校の利用を推奨します。そして無理のない長期計画(3年程度)が前提になります。短期決戦よりも、継続できる仕組みづくりが成功の鍵です。
- 文系・理系で有利・不利はありますか?
-
基本的に関係ありません。理系出身の合格者も大勢います。文系理系よりも「正しい勉強法を継続できるか」が重要です。
- 何年計画で考えるのが現実的ですか?
-
初学者の場合、必要勉強時間の目安が3,000時間以上であることから、社会人なら3~4年、時間の取れる学生なら2〜3年が現実的な目安です。焦って1年で詰め込むよりも、論文対策にしっかり時間をかけられる計画のほうが合格に近づきます。
まとめ:予備試験は「戦い方」次第で攻略可能なゲーになる
まとめです。
- 予備試験は合格率4%の超難関資格
- 難しさの正体は「三段階の関門」「膨大な出題範囲」「長い勉強時間」の3つ
- 「計画性」「予備校の活用」「過去問演習と起案の型の習得」が重要
予備試験は、闇雲に勉強すれば無理ゲーですが、予備校を活用しながら計画的に戦えば、合格の可能性は十分にあります。



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